現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 1500万円でもこのパフォーマンスなら間違いなく破格! 【黒沢元治のドライビングプレジャークエスト:BMW M4カブリオレ編】

ここから本文です

1500万円でもこのパフォーマンスなら間違いなく破格! 【黒沢元治のドライビングプレジャークエスト:BMW M4カブリオレ編】

掲載 20
1500万円でもこのパフォーマンスなら間違いなく破格! 【黒沢元治のドライビングプレジャークエスト:BMW M4カブリオレ編】

 日本グランプリを2度制覇した伝説のレーシングドライバー、ガンさんこと黒沢元治。当代随一のドライビングテクニックと分析能力を誇るガンさんが世界中のクルマを評価する! ガンさんがクルマに求める「ドライビングプレジャー」は備わっているのか? BMW M4に乗ってもらった!

 試乗車:BMW M4カブリオレ

日常ユースは優れるがスポーティに走らせると課題多し! 【黒沢元治のドライビングプレジャークエスト:アウトランダーPHEV編】

 縦に長いキドニーグリルを採用したことでも話題の4シリーズ。そのハイパフォーマンスモデルがM4シリーズだ。480馬力/550N・mを発生する直6を採用したM4クーペのほか、今回の試乗車が積む510馬力/650N・mを発生するエンジンのCompetitionグレードをラインアップ。また、Competitionには2WDと4WDがあり、カブリオレは4WDのみ。ただし、DSCオフでは2WDモードも選択可能。

 1500万円近い価格が安く感じられるほどの走り

 今回試乗するクルマはBMW M4のオープンモデルだ。Mのシリーズであり、さらにグレード名にコンペティションと付いていことからも、ハイパフォーマンスであることは疑いようがない。

 それでいてカブリオレとは、じつに個性的なモデルである。

 まずはドライブモードをコンフォートにしてスタート。カブリオレゆえにどこまで剛性が出せているのか、注目しつつ走り出す。駐車スペースから荒れたサーフェスのアクセス路を軽く流すと、軽く衝撃を受けた。明らかに素晴らしく高いボディ剛性を持っていて、じつに質感が高いのだ。そのままワインディング本線へと入り、本格的なインプレッションへと移る。この日は雨こそ上がっていたものの、路面の6割はウエットで霧も出ている条件であったことを付け加えておく。

 加速した瞬間に驚かされたのはエンジンのトルクとパワーだ。4WDのカブリオレがゆえに重く、のちに聞いた1930kgの車体を軽々と加速させていく。3リッターの直6ターボで、パワーが510馬力、トルクが650N・mというスペックだが、これはボクが1969年に日本グランプリで乗ったレーシングカー、日産R382の6リッターV12に匹敵する数値であり、技術の進歩を実感した。

 直6ゆえにBMW伝統のシルキー6、と言いたいところだが、流石にこれだけの出力を得るためには1気筒あたりの爆発エネルギーも相当であり、そこまでのスムースな回転ではなかった。ただし、それは過去のシルキー6と比較した話であり、荒っぽさや不快な回転振動があった訳ではない。

 サスペンションは下りコーナーへの進入で減速しても、体感としてはノーズダイブがゼロのようなイメージで反力が発生し、シッカリと4輪に荷重が乗った状態で非常に安定したコーナリング姿勢を保つ。ドライブモードもあれこれと変更したが、ハイパフォーマンスカーと考えればコンフォート性も高く、ダンパーも含めて最高の完成度であり、正直サスにこれ以上、手を加える余地はない。

 ここまで走行し、これだけのエンジントルクをかけ、アップダウンの激しいタイトなコーナーが続く上に路面の荒れたワインディングを走行しても、タイヤの接地性や車体の動きに気になる点が出ないことからも、やはりボディ剛性が素晴らしく高いことがわかる。確かに1930kgというかなりの車重にはなっているが、それが十分に剛性に寄与しており、よくぞカブリオレでここまで作り上げたと開発陣を素直に褒めたい。

 ブレーキについても触れておこう。タッチもよく、踏力に対する減速度はリニアで、また、少なくとも今回のワインディング走行においては温度に対するブレーキ性能の変化も見られなかった。これはブレーキ自体の性能も優れているのだが、先に述べた反力の発生するサスペンション、およびそれをシッカリと働かせることができる高いボディ剛性により、4輪に十分荷重が乗った状態で減速できることも理由である。

 こうしたパフォーマンスを誰がオープンボディのリヤシートで楽しむのかという、4座やカブリオレという、商品企画に対する疑問はあるが、少なくとも走りは素晴らしい完成度であった。

 この内容で1400万円台は間違いなくバーゲンプライスだといえよう。

※本記事は雑誌CARトップの記事を再構成して掲載しております ※価格は掲載当時のものとなり、現在は1500万円~となります

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「オフロードのニュルブルクリンク」も難なくクリア! ジープ・ラングラー アンリミテッド ルビコン10周年特別仕様車の走破性に驚愕!【10年前の再録記事プレイバック】 
「オフロードのニュルブルクリンク」も難なくクリア! ジープ・ラングラー アンリミテッド ルビコン10周年特別仕様車の走破性に驚愕!【10年前の再録記事プレイバック】 
ベストカーWeb
若者と次世代モビリティを語れ!! 実録[東京モビリティ会議2024 withベストカー]
若者と次世代モビリティを語れ!! 実録[東京モビリティ会議2024 withベストカー]
ベストカーWeb
中古感ゼロ!! なんと100万円台で買える[王道ミドルサイズミニバン]先代モデル3選
中古感ゼロ!! なんと100万円台で買える[王道ミドルサイズミニバン]先代モデル3選
ベストカーWeb
シビックタイプRのエンジンをフォーミュラカーに移植したってさ 鈴鹿サーキットでテストしたマシンの正体
シビックタイプRのエンジンをフォーミュラカーに移植したってさ 鈴鹿サーキットでテストしたマシンの正体
ベストカーWeb
悔しいトラブルでトップから脱落……速さはあるSPOON リジカラ CIVIC!! スーパー耐久第6戦はどうなった!?
悔しいトラブルでトップから脱落……速さはあるSPOON リジカラ CIVIC!! スーパー耐久第6戦はどうなった!?
ベストカーWeb
ポールから完勝の太田「記録に残らず歯がゆい気持ちがあった」。坪井「油断したら何かが起きる」【第8戦決勝会見】
ポールから完勝の太田「記録に残らず歯がゆい気持ちがあった」。坪井「油断したら何かが起きる」【第8戦決勝会見】
AUTOSPORT web
衝撃の300万円で登場? ちょうどいいEV=[ヒョンデ インスター]は今度こそ日本車キラーになれるのか!?
衝撃の300万円で登場? ちょうどいいEV=[ヒョンデ インスター]は今度こそ日本車キラーになれるのか!?
ベストカーWeb
好調の金曜から一転、想定外の『1.3秒』とペースに苦戦。山本尚貴、ラスト1戦は「諦めないベストの走りをしたい」
好調の金曜から一転、想定外の『1.3秒』とペースに苦戦。山本尚貴、ラスト1戦は「諦めないベストの走りをしたい」
AUTOSPORT web
Jujuと可夢偉が2度の本気バトル。接触スレスレでレース後も白熱「“激”幅寄せをされた」「ちょっとどうなの?」
Jujuと可夢偉が2度の本気バトル。接触スレスレでレース後も白熱「“激”幅寄せをされた」「ちょっとどうなの?」
AUTOSPORT web
ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス
ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス
AUTOCAR JAPAN
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦鈴鹿は野中誠太が僅差で荒尾創大を下し今季4勝目
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦鈴鹿は野中誠太が僅差で荒尾創大を下し今季4勝目
AUTOSPORT web
20歳女子がスズキ「キャリィ」でデイラリー初参加! コ・ドライバーの父親と一緒に、奈落の底の絶望から奥の深いラリーを楽しみました
20歳女子がスズキ「キャリィ」でデイラリー初参加! コ・ドライバーの父親と一緒に、奈落の底の絶望から奥の深いラリーを楽しみました
Auto Messe Web
運命を分けた赤旗後の3分間とタイトル脱落。食い違う野尻智紀と太田格之進、決勝では異次元の速さ
運命を分けた赤旗後の3分間とタイトル脱落。食い違う野尻智紀と太田格之進、決勝では異次元の速さ
AUTOSPORT web
最新 BMW M5へ試乗 2024年へ再解釈されたスーパーサルーン! 727psのプラグインHV
最新 BMW M5へ試乗 2024年へ再解釈されたスーパーサルーン! 727psのプラグインHV
AUTOCAR JAPAN
波乱のレースでライバル圧倒、太田格之進が今季初優勝。王者争いは坪井翔と牧野任祐の一騎打ちに【第8戦決勝レポート】
波乱のレースでライバル圧倒、太田格之進が今季初優勝。王者争いは坪井翔と牧野任祐の一騎打ちに【第8戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
2024年版 世界最高峰のハイパーカー 「速さ」の限界に挑む "夢" の超高性能車 10選
2024年版 世界最高峰のハイパーカー 「速さ」の限界に挑む "夢" の超高性能車 10選
AUTOCAR JAPAN
腐っていたフィアット「500L」をターボ化とボアアップでフルカスタム! 底突きするサスペンションを室内にセットした理由とは
腐っていたフィアット「500L」をターボ化とボアアップでフルカスタム! 底突きするサスペンションを室内にセットした理由とは
Auto Messe Web
悲願のスーパーフォーミュラ王座逃した牧野任祐、絶好調のチームメイトと対照的にまさかの苦戦。「何もできなかった」と悔しさあらわ
悲願のスーパーフォーミュラ王座逃した牧野任祐、絶好調のチームメイトと対照的にまさかの苦戦。「何もできなかった」と悔しさあらわ
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

20件
  • 馬鹿でかい下まで伸びるグリルは未だにカッコいいと思えない。何処ぞの評論家が時間が経てばカッコよく見えてくると言っていたが未だにカッコよく見えない。世界的にもイジラレてるしこのフロントフェイスは失敗したんだろう
  • 30年経済成長していない哀れな日本人にとって高級車は高嶺の花になる一方。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1458.02068.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

344.02430.0万円

中古車を検索
M4 クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1458.02068.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

344.02430.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村